GoogleにSGEが実装され、いよいよブログビジネスの終焉が現実味を帯びてきました。
SGEについて検索すると「SGEでSEOはオワコン」的なタイトルで釣って「対策をすれば大丈夫、安心して」的な内容で締めくくるサイトが多く感じます。
まあ、この人たちはSEOで食っているのですから、擁護するのは当たり前でしょう。
ただ、大丈夫ではありません。
検索結果のいちばん上、SEO1位どころかリスティング広告より上にスナップショット(SGEによる回答)がきてしまうのですから、これを大丈夫と言ってしまえば、そもそものSEO1位に意味がないと言っているのと同じになります。
現状のSGEに対する懸念を簡単に言えば
- Knowクエリ流入が死ぬ
- 普遍的な情報を提供するサイトはSGEに負ける
となります。
この記事ではこれらの懸念を深掘りし、今後できる対策について考察していきます。
結論から言えば、SGEへの対策としては
- 今まで以上にEEATを重視する
- 体験や経験に即したコンテンツを増やす
- スナップショット内の情報元リンクに表示されるよう、調整する
となります。
著者情報
法務省外局で働く傍ら2016年からFXを始め、2021年に専業トレーダーに。2024年からファームと契約し正式にプロトレーダーへ。
その後、職業欄を埋めるために始めた金融系Webライター業が楽しくなり、SEOやリスティングの魅力に引き込まれ、現在はトレーダーだかライターだかマーケターだかよくわからない状態に。
海外FXのメイン口座は「TradeView」。国内は「ヒロセ通商(JFX)」と「ThinkMarkets」。
オプション取引は「easymarkets」と「サクソバンク証券」。
Tradeviewの口座は一つ公開中。→ FZT
そこまで成績は良くないのに、総合ランクで4位にまでいきました。どんなロジックでランク決めしてんでしょう。
最近、日に数回は1位で表示されています。実質世界ランクなんで、すごいと言えばすごいかも。
筆者はトレーダーの傍ら、金融ライター・SEOディレクターとして活動しています。
SEOは「教科書通りやるのがまずスタートライン」「やれることを全てやっても結果につながるとは限らない」という点がトレードと似ており、楽しくやらせていただいています。
現状、競合の強いFXというジャンルにおいて、難関キーワードで検索1位を多数 獲得しています。
お仕事の依頼に関しましては、現在満枠のため、単発のご依頼のみであれば調整可能という状況です。
ただ、FXもSEOも大好きですので、ご気軽に相談いただけると嬉しいです。
Googleの新機能「SGE」について
Googleが新たに発表した「SGE」は、検索エンジンの新しい機能として注目されています。
SGEとは「Search Generative Experience」の略で、これはユーザーの質問に対して自動生成AIを用いて解答を行うものです。
この機能の導入により、検索エンジンの利用体験が大きく変わることが期待されています。
- なぜSGEが導入されたのか
- SGEの具体的な機能
- SEOとの違い
- 強調スニペットとの違い
- SGEの注意点
なぜSGEが導入されたのか
Googleは下記のような綺麗事を言っています。
Googleは常にユーザーの利便性を追求してきました。
一方で、情報の量が増え続ける現代において、ユーザーが求める情報を迅速に、かつ正確に提供することが求められています。
このため、Googleは生成AIの技術を活用し、検索結果をより質の高いものにしようとしています。SGEの導入は、その一環として行われました。
綺麗事を言ってはいますが、AI戦争で後塵を拝したGoogleが慌てて導入したシステムであることは明白です。
SGEの具体的な機能
SGEの最大の特徴は、ユーザーの質問に対してAIが自動で回答を生成する点です。
たとえば、「iPhone 通知が来ない」という質問をした場合、SGEはその質問に対する回答を自動で生成し、検索結果として表示します。
これは……。
わざわざサイトに入る必要ありませんね。
この回答は「スナップショット」と呼ばれ、既存のウェブページの情報をそのまま引用するのではなく、生成AIが独自に作成したものとなります。
また、SGEのもう一つの特徴として、会話形式でのやりとりが可能である点もあげられます。
ユーザーは続けて質問をすることができ、それに対してSGEが回答を提供します。
このように、ユーザーとの対話を通じて、より詳しい情報を提供することができます。
SEOとの違い
SEOは、検索エンジンのアルゴリズムに合わせてウェブページを最適化することを目的としています。
しかし、SGEは生成AIを活用してユーザーの質問に直接回答するため、従来のSEOの考え方とは異なるアプローチが求められるかもしれません。
具体的な影響はまだ明らかではありませんが、ウェブサイト運営者やSEO担当者は、SGEの動向を注視する必要があります。
強調スニペットとの違い
強調スニペットは検索クエリに対し、Googleの選んだサイト上の該当部分を抜粋して表示します。
「iPhone 通知とは」で検索した場合、強調スニペットは下記のようになります。
- 強調スニペット
- 既存のウェブページの情報をそのまま引用・抜粋したもの。
- SGE
- 生成AIが独自に作成したもの。
既存のウェブページの情報をそのまま引用したものではない。
SGEの注意点
SGEは非常に便利な機能ですが、全ての検索クエリに対して生成AIの回答が得られるわけではありません。
また、生成された回答が必ずしも正確であるとは限らないため、情報の正確性を確認する際には注意が必要です。
SGEがブログ運営に与える影響
端的に言って「SGEに検索流入が吸われる」ことが一番の影響です。
SGEに対する楽観的な考察
- Chrome利用者かつSGEの利用手続をしないと利用できない
- 「検索してサイトで情報を収集する」という20年ほど続いた文化は簡単に変わらない
- AIや新しい技術への不信や、拒絶感がある人間もまだ多い
- まだ文章のクオリティが低い
SGEに対する悲観的な考察
- 今後は全てのブラウザで勝手に表示されるようになる
- 若者の情報収集元がSNSや動画に移ったように、数年でSGEは定着する
- AI技術の向上は止められないため、結局ユーザーは馴染んでしまう
SGEに対する個人的考察
SGEの影響で、SEOに頼ったビジネスは今後どんどん厳しくなっていくと思います。
SEO情報を発信しているサイトやYoutubeチャンネルなどではまだ「無視しても良い」という声が多いですが、甘いと思います。
私個人としては、今後はSGEに吸われるコンテンツは極力作成せず、作成するとなればSGEの引用元になるよう調整を行なっていこうと思います。
SGEがトレンド雑記ブログに与える影響
SGEの影響が最も大きなサイト形態は「辞書系サイト」。
次点で「トレンド雑記ブログ」かと思います。
いずれにせよ共通しているのは下記の3点です。
- Konwクエリに対する普遍的な情報を提供
- 疑問解決後に湧く新たな疑問でサイト内を回遊させる
- 関連ASPかアドセンスでマネタイズ
どう影響していくかを考えていきましょう
Knowクエリに対する情報が即解決してしまう
トレンド雑記ブログを書く上で、いちばんオーソドックスなYahooニュースサーチで考えます。
この記事から何の捻りもなく「ベッキー あの なぜ」のトレンド記事を書くとして。
検索してみると下記のようになります。
もうなんか、満足じゃないですか?
SGEはクエリに対する関連情報を解決できるか
トレンド雑記ブログの戦略の一つとして「網羅性」があります。
トレンド記事では、ニュースを読んでいて沸いてくる疑問に対する記事を書きます。
その際、下記のような施策でサイト滞在時間を伸ばし、同時に再検索を防ぎます。
- 次に気になる情報を先回りして書いておく
- 興味を持ちそうな関連情報も記載する
- ユーザーの想定ペルソナにあった記事を内部リンクでつなぐ
わりと面倒で工数がかかるのですが、SGEはこれにも対応してきそうです。
前項の「ベッキー あの なぜ」の例ではスナップショットに「追加で聞く」というボタンがあります。
このボタンの一つ「ベッキー あの 共演番組」を押すと下記のスナップショットがすぐに表示されます。
とりあえずだいたいのユーザーは満たされるでしょう。
他にも「あのちゃん 事故」というちょっとだけ知りたいような気もするサジェストもありました。
まだベータ版でこれですから、今後は精度も利便性も上がり、太刀打ちできなくなる気がします。
SGE時代にトレンド雑記ブログが生き残っていく方法
それでも完全にトレンド雑記ブログが終わるとは思っていません。
例えば下記のトレンド雑記ブログ推しのYoutuberは問題ないと語っています。
- トレンド雑記ブログにくるユーザー層は最新技術に疎い
- 完全にゼロとなる業界はない
- SGEの参照元としてサイトは生かされる
といった意見には私も賛成です。
今後のSGEとの付き合い方は下記のようになると私は考えます。
- SGEに迎合する(生成元リンクを狙う)
- SGEを回避する(EEATを今まで以上に重視)
身も蓋もなく「迎合or回避」です。
人の土俵でやるビジネスのため、そもそも「反抗」という選択はナンセンスです。
SGEに迎合する
何事も、意外とうまくいく立ち回りは「長い物には巻かれろ」です。
先ほどの「ベッキー あの なぜ」の例では右側にリンクが出ていたと思います。
スナップショット右上の拡大表示ボタンを押すと下記のようになります。
スナップショット内の文章が項目ごとに分けられ、生成元がリンクとして表示されます。
SGEの内部構造はまだわかりませんが、この生成元リンクは必ずしも上位表示されたサイトではありません。
ここに表示できれば流入が増えることは言うまでもありません。
今後はスナップショット内リンクを狙う方法で戦争が起きるでしょう。
今のところ、スナップショット内リンクを狙う施策としてやっておくべきなのは下記だと思われます。
- SEOに最適化した構成で文章を書く(強調スニペットと同)
- 構造化マークアップでGoogleに把握されやすいようにする
強調スニペットについては下記の記事で説明しました。
構造化マークアップはGoogle公式が出している「構造化データ マークアップ支援ツール」と言うサイトで簡単にできます。
いずれにせよ、今まで以上にGoogleに好まれる形のコンテンツを制作していくことが重要となりそうです。
EEATを今まで以上に重視する
YMYLジャンルに対しては、SGEのスナップショットは出てきにくいです。
命やお金・健康に関わるジャンルに対し、AIでは責任が取れないということでしょう。
EEATを高め、YMYLジャンルに挑戦するというのはSGEの回避策としては有効です。
また、体験や属人性の高いコンテンツ作りも非常に有効です。
例えば「モテる 冬服 メンズ」で検索すると、下記のスナップショットが出ます。
ほんとかよ(笑)
こういった、普遍的な情報ではなく、「誰が言ったか」が重要になるコンテンツはSGEの影響を受けにくいと言えます。
まとめ
SGEの実装により、SEOを利用したビジネスはさらに厳しくなっていくと思います。
しかし、今後の立ち回りについては以前とほぼ変わりません。
- SEOに最適化したコンテンツを作成する
- EEATを高めて、ユーザーの悩みを解決する
SEOによるビジネスが厳しくなっているのは、今に始まったことではありません。
Knowクエリ流入が減ったのは強調スニペットが導入された時も同じですし、普遍的なコンテンツに価値がなくなったのはYMYL導入の時と同じです。
SEOから撤退するのであれば潔く引くのも手ですし、継続するのであれば、今まで通り必要なことは全てやっていきましょう。
その他SGEについて参考になった動画①
「SEO研究チャンネル」の出している動画が非常にわかりやすいです。
SEO研究チャンネルはSEO分析ツール「Keywordmap」を提供している株式会社CINCが運営しているyoutubeチャンネルです。
その他SGEについて参考になった動画②
ウェブ職TVの出している動画もシビアな意見が多く、参考になります。
2005年からSEOビジネスを続けている古参の人物で、ブログ副業について2000本弱の動画で詳細に語り尽くしています。
ブログ副業について超絶詳細に解説しながらも、「厳しいからやめとけ」という尤もな意見を持っている人物です。
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